3:急に迎えた、終焉

 超音人伝説が稼動して3ヶ月が経過しようとしていた。アクティブプレイヤーは5万人規模になり、これもガールズグレート効果と言えるのかもしれない。中にはガールズグレートの楽曲はプレイせずにオリジナル楽曲のみをプレイするユーザーもいたのだが…。

「楽曲の解禁条件が厳しくなってきた…」

 飛鳥もガールズグレートの楽曲はプレイせずに他のオリジナル楽曲やライセンス曲、配信で追加された楽曲、プレイしていく過程で解禁した楽曲を全てプレイしたのだが…残る隠し曲の解禁にはまだ曲数が足りないのである。

「まさか、早い時期に隠し曲が解禁されるとは予想外だったな…」

 時間は、今から2ヶ月前までさかのぼる。

 先行稼動を含めて、1ヶ月となったある日にインターネットの掲示板を盛り上げた情報があった。それは、超音人伝説で新たな楽曲が解禁になったと言うニュースだった。その数は30曲以上にもなる。

しかし、出現条件は配信予定の楽曲を含めて一定数プレイする事にある。数曲をプレイするごとにポイントが溜まっていき、楽曲が演奏可能になる仕組みである。作品によってはレベル解禁や一定時間の稼動で解禁するタイプの物もある。

「対戦相手が選曲した際に自分が未プレイだった曲もカウントされるが…そろそろ縛りプレイも無理な状況になってきたな」

 対戦相手が選曲した曲も自分が未プレイであればポイントは溜まるようになっている。当然だが、対戦相手がガールズグレートの楽曲を選曲する事も何回かあった。その度に飛鳥は別人のように連敗したのである。それもあってか、いくつかの条件が厳しいであろう楽曲は解禁できたのだが…。

「残りの未解禁曲は2曲か…。だが、ほとんどの楽曲をプレイ済の自分にとっては、残る未プレイ曲は…」

 こういう時に西雲隼人の楽曲が収録されていれば自分もやる気は出るのだが、メーカーが違う為に西雲の楽曲は超音人伝説には収録されていない。

「格闘ゲームであれば、他社メーカーの代表作がコラボをする事もあるのに…音楽ゲームはその点だけは後れている傾向がある。他社でゲームを出した事のある作曲家を呼ぶだけではなく、音楽ゲームの楽曲を追加して欲しいのだが…」

 飛鳥は思う。いまやゲーム業界でも他社の作品同士でコラボレーションをする事は珍しくなくなってきた。格闘ゲームでは他社の代表的なキャラクターが夢の対決をするゲームも発表されている。アクションゲームやアドベンチャー、RPG等でも他社作品がコラボするのは珍しい事ではなくなっていた。しかし、音楽ゲームだけは別だった。西雲が開発したゲームがほとんどである為と言うのもあるかもしれないが、それが影響して他社同士のコラボが行えない流れになっていたのである。ようやく、別の会社同士で他社音楽ゲームの楽曲が収録されたのだが、残念ながらその楽曲は西雲隼人の楽曲ではなかった。

「どうすれば、夢のコラボは実現するのだろうか…」

 飛鳥は思う。西雲の開発した音楽ゲームで他社の音楽ゲームの楽曲をプレイする事が飛鳥の目標のひとつだからだ。

 そして、時間は稼動から3ヵ月後に戻る。

「第2次解禁か…第1次解禁が全て終わっている自分にとっては…」

 飛鳥とは違うホームゲーセンでプレイしている紫苑も第1次の隠し楽曲は全て解禁したが、満足感と言うのはなかった。

「第1次も第2次も隠し楽曲はどれもよい物ばかりだけど…解禁条件が作業としか言い様がないほどの展開だったのは…ちょっと残念ね」

 紫苑は飛鳥とは違い、既に第2次までの楽曲を全て解禁していたが解禁条件をクリアする為にはガールズグレートの楽曲をプレイする事は避けては通れなかった。紫苑にとってガールズグレートはライバルに当たる為、例えオリジナル楽曲の為とはいえライバルの曲をプレイするのは別の意味で苦痛だった。

「速くサントラが出れば…と言いたい所だけど、公式HPでは特に告知がない以上は先の話になりそうね…」

 紫苑は飛鳥とは違い、公式HPを細かくチェックしている。楽曲解禁の情報をインターネットの掲示板へいち早く流したのも、彼女である。

「これは…!」

 プレイ終了後、第三次楽曲解禁を予告する告知がゲームオーバー画面に割り込む形で表示された。

『近日中に第三次解禁曲が…』

 第三次…と聞いて紫苑は嫌な予感を感じたのである。

 第三次解禁が告知されたのだが、インターネットの掲示板では色々なうわさが流れていた。

「第三次解禁を前にガールズグレートの楽曲が一挙に配信の流れか…」

「他のアーケード版音ゲーと違って、ガールズグレートをプレイするなら超音人伝説という流れになっているよな?」

「ここまでライセンス曲を重視しているなんて想定外だが、レコード会社と提携しているなんて話は聞いていないのだが…」

「ひょっとすると、既に水面下で色々決まっていた気配だな。あの大型筐体も値段が150万という事らしいが、大型筐体の値段としては安すぎると思っていたら…」

「レコード会社とタイアップして、ガールズグレートと関連する会社の楽曲は提供曲で他はカバーと言う流れも有力だな」

「そう言えば、ガールズグレートの新曲が来週リリースだったよな…新曲が最速で配信されたら、ある意味で神なのだが…」

 来週にはガールズグレートの新曲が出るらしい。もしも、それを狙って第三次解禁のイベントがあるとしたら…どう考えても宣伝媒体として超音人伝説が利用されていた事になる。

「ライセンス曲に頼りすぎると、こういう所で色々と騒がれる原因になるんだよなぁ…」

 今回の件は、どう考えてもおかしい。他にも宣伝担当が色々と暴走しているとしか思えない程にガールズグレートの曲が追加されている。下手をすれば、カラオケで配信されている全ての曲がプレイできるのでは…と。

「実際に調べてみたら、ここ1年でリリースされた曲はカップリング等を含めなければ全部収録されている計算だな」

 なんとも素早い対応に驚く。スレ住民も物凄い速さに驚いていた。

「対応早すぎ…乙」

「これは乙と言わざるを得ない」

「そんなハイスピード作業で大丈夫か?」

 色々なコメントが次々と流れていく。

「そう言えば、ロケテや発表会にいたスタッフはどうなった?」

 その一言はスレ住民にある疑問を浮上させたのである。

「西雲隼人が先行稼動の時に視察に来ていたって話を聞いた事がある」

「ただ、名前を調べても西雲隼人でエントリーしているプレイヤーはいるが、本人ではない気配がする。多分、ガールズグレートの楽曲ラッシュを見て思うところがあったかも」

「他の音ゲーをプレイしている姿は見た事があるが、超音人伝説に関しては目撃例がないな…」

 西雲隼人は本当にプレイしていないのか。ひょっとすると、新作の開発で忙しいのかも…と考える物もいる。

「そう言えば、今週に西雲開発の音楽ゲームがロケテを行うらしい。それを見れば、全ては分かるのでは…」

 全ては、数日後に行われるロケテの詳細次第…という事でこのスレは終わった。その時のスレのタイトルは…。

『超音人伝説がガールズグレートに私物化される予感がするのだが、大丈夫か?』

 本当に私物化されるのか、結論は先送りになったが…それが現実にならない事を祈るばかりだった。

 ロケテ当日、会場には筐体と何やらコントローラーらしき物が運ばれてきた。

「筐体を見る限りは、大型筐体ではないようだな…」

 今回のロケテに興味を持ったメタトロンがロケテの準備を見守っている。

「意外な人物に会うと思ったら…」

 メタトロンの次にゲーセンに現れたのは飛鳥だった。メタトロンとは面識はないが、過去に同じ音楽ゲームに楽曲が収録された事がある。その時は西雲が開発した音楽ゲームだったのだが…。

「これも、偶然なのかな…それとも必然?」

「あなたは確か、メタトロンさん…」

 メタトロンを見て驚く紫羽と飛鳥と遭遇した事を必然なのでは…と思う紫苑の二人も合流した。

「他にも、このゲームを楽しみにしているプレイヤーはたくさんいるようだ。西雲自身も超音人伝説を参考にしていた作品だからか」

 メタトロンは言う。西雲はロケテの時から超音人伝説は期待の作品だと言っていた。しかし、本格稼動をしてからは失望の方が大きかったようだ。原因は色々とあるのだが、そのひとつとなっているのは間違いなく、ガールズグレートの楽曲収録である。

「ライセンス曲を中心とした音楽ゲームは過去にもあったが、超音人伝説のアレは向こうにとっては宣伝カーを手に入れたような物だったからな…」

 メタトロンが指摘する。音楽ゲームは本来であれば話題の楽曲を入れる事はあったとしても、ライセンス曲とオリジナル曲の割合は一定のはずである。中にはオリジナル曲オンリーの作品もあるのだが…今回のガールズグレートの一件はレコード会社の宣伝に使われていると言われても良いレベルだったのである。既にインターネットの掲示板でもその辺りに関しては数多くの指摘がされており、ゲーム会社にも同様のメールが多数寄せられている。メールの送り主の中には西雲隼人の名前もあったのである。

「とりあえず、向こうがどう出るかは向こう次第として…まずはロケテがどうなるかを見守ろうか」

 メタトロンは超音人伝説に関しては結果を待つ事にして、まずは西雲の新作を見る事にした。

 ロケテの準備が終わった頃、ひとつの武器のような物がゲーセンの入り口に展示されていた。それは、超音人伝説では登場しない銃剣である。しかし、実際に銃弾を撃てるような物であれば展示は不可能なはずである。

しかし、良く見てみると刃は強化プラスチックで出来ており、丸みを持っている等の安全対策が取られている。それ以上に驚いたのは、この銃剣は音楽ゲームで言う所のコントローラーの役割を持っていたからである。

「これが、コントローラー…」

 紫羽は珍しい形をした専用コントローラーに驚く。銃剣以外にも、トンファー型やロングソード型、日本刀型の物も一緒に展示されていた。どうやら、専用コントローラーには複数の種類があるようだ。

「既に中ではロケテが始まっているようだ。様子を見に行こう…」

 メタトロンに誘導されるかのように、紫羽たちはゲーセン内に入って行った。

「何と言う展開に…」

 銃剣を見ていた一人の男性はつぶやく。彼は超音人伝説にロケテの頃から関わっていたスタッフだったのだが、収録楽曲でガールズグレートの楽曲オンリーに変更しようとしていた会社の方針に反対して、会社を強制的に辞めさせられたのである。

「あの新人広報が…」

 彼には作品が代わってしまった原因が、新人広報だという事を掴んでいたのだが、それを会社に告発しようとした直前で、反逆者という烙印を押されて退社となったのである。

「そう言えば、西雲の新作は今日がロケテだったな…」

 彼がロケテ会場に足を運んだと同時に、目の前に見えた筐体に見覚えがあった。

「これは、まさか…」

 西雲がゲームに関しての説明をしているのだが、既に周囲には100人に近いギャラリーが集まっていた。ゲームコーナーではなくボーリングコーナーのエリアを借りての説明となった。これは、ギャラリーの人数が当初予定していた50人の約2倍という人数のお客が来てしまったためである。

「このゲームは音楽ゲームのコントローラーをガンコントローラーにしただけではありません。ガン以外にも剣であったり、拳であったり…開発中の物を含めて多数の武器が使える仕様になる予定です。ゲームとしては、体感型アクションになるのでしょうか…」

 西雲が大型スクリーンに映し出されたコントローラーを指差しながら説明する。

「既にこのタイプの音楽ゲームはリリース済みですが、コントローラーのカスタマイズ可能な点やそれぞれの楽曲でのインターネットランキング、更には公式大会…。そう言った要素を加えていき、プレイヤーをより楽しませるような要素を作って行きます…」

 更に西雲は、楽曲に関しては解禁に関しては一部楽曲限定とし、基本的には収録される8割以上の楽曲を最初からプレイ可能とする一方、積極的に楽曲の追加配信を行い、万が一のバグに備えてのパッチ配信等も行う事を発表した。

「自分としては、もっとライバル社には音楽ゲームがどういう物かを理解してもらいたいと個人的には思うのです。確かにライセンス曲を収録すれば知っている曲もある…という事でプレイする人は増えるでしょう。その一方で開発費はライセンス曲の使用料で大半を使ってしまい、実際の内容がライセンス曲の知名度だけで作成したような作品では…こちらとしても悲しくなってきます。最近では1アーティストの宣伝をする為の機械と同じ状態になっている作品があると聞きます。おそらくはレコード会社から大量の資金提供があって、資金提供と引き換えに収録楽曲に自社のアーティストを使うように…という圧力があったのは火をみるよりも明らかです。それは既に音楽ゲームとは呼べない代物になっていると自分は思います。そんな状況を打破する為に…今回の音楽ゲームを作成しました。そのタイトルは…サウンドウェポンです」

 西雲からサウンドウェポンと言うタイトルが発表された。どうやら、今回の音楽ゲームのタイトルらしい。

「見る限りでは…色々と期待できそうだな」

「超なんとかよりは期待できそうだ…」

「システムが似たり寄ったりは全てのジャンルにおいてよくある事。音楽ゲームで重要なのは、オリジナル楽曲の質だな…」

 色々な声が聞こえる。音楽ゲームを今まで支えてきた者としての責任もあるかもしれない。本来の音楽ゲームがあるべき姿、それを忘れてしまった作品はすぐに廃れてしまうだろう…と。そんな中、一人の人物が西雲に近づいてきた。超音人伝説の製作スタッフである。ロケテでも何回か目撃情報がある為、周囲にいたギャラリーも彼の登場には驚いている様子だった。

「西雲隼人…君の言葉を聞いて自分の覚悟が決まったような気がする…」

 彼は西雲に握手を求めた。彼には敵意は全くないと判断した西雲は彼との握手に応じたのである。

「俺の名前はジャックだ…」

 握手を求めた男、ジャックは出来る事があればサウンドウェポンの開発にも協力すると約束をした。当然だが、西雲はジャックが偽名を使って接触をした事を知っていた。

 翌日、西雲のサウンドウェポンに関しての情報が各ゲームサイトに掲載され、ジャックの事も掲載されていた。

「これはどういうことだ…」

 超音人伝説の関係者も口をそろえて驚くしかない。元々、中心となって動いていた人物が偽名を使ってライバル会社…しかも、西雲隼人の会社と協力すると宣言したのである。

「あの会社とは色々と因縁があるのは君も知っているだろう。このままでは、我々の開発した技術が西雲に奪われてしまう…」

 上層部が頭を痛めるが、新人広報はこう切り返した。

「自分も知っていますよ。西雲の会社とここが仲の悪い事は…。しかし、音楽ゲームもコラボレーションをする時代になったのです。それを速く認めてください。そうでないと…音楽ゲームの客が他のジャンルに取られてしまいますよ…」

 どういうことだ…と上層部は反論する。そろそろ潮時か…彼は思った。

「今回の超音人伝説に関する一件に加え、レコード会社との談合で進めていたガールズグレートが主役の携帯ゲーム機ソフト…そのほか色々、これは明らかに音楽業界の意識改革に違反しています。申し訳ありませんが、既に警察には通報済みですので…」

 そして、彼は上層部のメンバーにあるものを取り出した。

「音楽意識改革組合代表、南雲皐月(みなぐも・さつき)…あなた方を音楽業界の意識改革に不要な存在と認定します!」

 南雲が上層部メンバーに見せたのは、音楽意識改革組合のエムブレムが刻まれた携帯音楽プレイヤーである。

「音楽意思改革委員会…まさか、あの骨抜きと言われた意識改革は本気で行うつもりだったのか…」

 警察に連行される幹部が南雲につぶやく。まさか、本当に意識改革を行うとは…予想外の出来事だったのである。

「政府の発表したのも間違いなく意思改革の案…。自分の場合は政府ではなく民間の会社が発足させた組織のひとつ…」

 幹部は口をそろえて、どうやって情報を手に入れたと言う。確かにインターネットの掲示板では上層部が怪しいという情報はあったが…インターネットの場合はフェイクの情報が混ざっているケースもある。

「いくつかのレコード会社から依頼があって…この会社が怪しいのでは…と思って新人広報として忍び込み…」

 新人広報として忍び込み、キーワードで誘導して特に反応がなければすぐに撤収するつもりだったらしい。

「見事にガールズグレートというキーワードに引っかかってくれたおかげで、こちらも仕事が速くて済んだ…と言う訳だ」

 こうして、超音人伝説は第三次解禁を前に一時回収という方向になった。1ヵ月後、ガールズグレートの楽曲を全て削除した新バージョンがお披露目となり、こちらは途中でプレイするのを止めてしまったプレイヤーを引き戻す事にも成功し、無事に第三次楽曲解禁を再び向かえたのである。

「ウソだろ…!」

 それから数日後、ネット住民は再び驚く。メタトロンの所属していたルシフェルが突如として解散を発表したのである。原因は色々あるのだが、音楽性の違いではなく、意外な理由だった。

『ルシフェルの解散は、いずれ起こるだろうと思っていた。形あるものはいつか消える…それが早まっただけだ』

 メタトロンは、ホームページでこう語っていた。噂では、メタトロン以外は別のアイドルグループの楽曲提供をする事になったようだが、その真相は謎のままである。

 音楽業界に広まった異業種コラボ…それは予想外の形でバブルと言うものを作ってしまっていたのかもしれない。ガールズグレートは、今回の件を重く見て、活動を無期限停止としたが、実際には解散と同じだった。彼女達の場合はCDがヒットしたのはごく少数のネット住民が1万枚単位でCDを購入してチャートを操っていたという事を知らず、このCD売り上げが自分達の人気と錯覚、最終的には特典等を変えただけのCDを何枚も売り出す等の無茶な販売方法に走ってしまった。

 その結果は…見ての通りだ。

 それ以外にも、今回はジャンルによってゲーム会社同士のコラボが難しいと言う現実も判明した。過去に色々な事があって、それが原因となってコラボ等が出来ないという事があるかもしれない。過去の事を全て水に流して…と言うのは無理かもしれないが、歩み寄る形を取って行く事は今後のゲーム業界が生き残る為にも重要な事だと思うのである。

「自分は改めて思う。ゲーム業界はライバル同士であろうと手を組んで共に作品を作る事も可能である。しかし、音楽ゲームに限って言えば自分の作品が大半で、他社が参入しにくいという状態になっている。他の会社も音楽ゲームに参入し、この業界を盛り上げてくれる事を期待しています。それこそが、自分が思い描く『音楽ゲーム夢のコラボ』に一歩近づく事になります。音楽ゲームだけがコラボレーションを望めないジャンルと言われないように…全力投入していくつもりです」

 西雲はサウンドウェポンの開発者インタビューでこう語った。これが、現実となる日はいつかくるのだろうか…それは、明日になるのか、もっと先になるのか…誰もその答えを知っているものはいなかった。