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         導入部

 

「ナ ンバー5は、この会場で息絶えた。新世紀のアイドルになるのは、この私!」

  SF等に出てくるような3メートル位のロボットから女性の声が聞こえた。声の主はフリーズ、以前にナンバー5に敗北をしたホーリーフォー スのナンバー9である。コンサート会場に来ていた観客は突如として現れ、ステージの盛り上がりを一瞬にして沈黙させたフリーズに対して恐 怖を感じた。

 

  この事件は、発生翌日から新聞記事でも一面で取り上げられ、TVでも臨時特集が組まれる程の事件となった。これは、ホーリーフォース計画 を推し進めていた日本政府にとっても衝撃的な事件となった。

『3 月20日、ホーリーフォースのナンバー5ことダークネスレインボーのコンサート会場に、招かれざる客が出現した。本来であれば正式な申し 込みをしたナンバー2と対戦する予定だったのだが、会場に突如現れたのはナンバー9のフリーズだった。原因は不明だが、何者かがスケ ジュールに変更を加えた説が有力となっている―』

  新聞を読んでいたのは野党議員で、一連のプロジェクトに疑問を持っていた人物でもある。

「ラ クシュミをはじめとしたアイドルから入ってくる税収だけでは将来の税収不足になる可能性があって計画された物が、まさかこのような事にな るとは―」

  今回の一件はその日の国会でも取り上げられ、予想されていた事態を回避出来なかった政府を複数の野党議員が批判する。

「今 回の件に関しては、精神鑑定やメディカルチェック等を強化していた最中で発生した事であり、我々としても非常に―」

  官房長官クラスの議員が定例記者会見で今回の一件に関して説明をする。

 

  一連の事件から1週間後、事件の張本人であるフリーズを一時的な活動停止にする事で政府は事態の収束を図った。幸いな事にダークネスレイ ンボーの怪我に関しては致命的な物ではなく、すぐに復帰出来ると言う話だったのだが…。事態は思わぬ方向へと動き始めていた。

「申 し訳ありませんが、思う所があるのでプロジェクトからは引退しようかと―」

  秋葉原にある事務所に現れた人物、長髪に背広という服装の女性、リボルバーの意思は変える事が出来ず、ナンバー5に関しては予備人員不在 という事情も踏まえて空席とする事を発表した。

「メ ンバーが欠員となった以上、援助の件も打ち切られる可能性がありますね…」

  ある男性スタッフはつぶやく。今回の事件は、間違いなくホーリーフォースを取り巻く状況を変える物になったのは間違いない。

「そ れ以上に、ホーリーフォースが他のアイドルに乗っ取りを受けないか―」

  別の男性スタッフもリボルバーが抜けた事に対して不安を持っていた。しかし、そんな状況下でも不満そうな顔を浮かべずにリボルバーを見送 る人物がいた。スポーツ刈りに背広と言う変わった男性、彼の名はミカドと言う。過去に別の芸能事務所の副社長という役職にいたのだが、 ホーリーフォースの総責任者の役を指名され、現在に至る。

「リ ボルバーが抜けたとしても、新しいナンバー5は本日付で来る予定になっている。書類も、ここに―」

  手元にある書類の袋には、とある人物の推薦状が入った履歴書が入っていた。これがリボルバーの置き土産かどうかは不明だが…。

「彼 女が来れば、ホーリーフォースも変われるのかもしれないが―」

  この後、予想外の展開を迎える事になろうとは、この時点では誰も知らなかった。